『3000万語の格差 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ』を読んだ。
横書きだからかすごく読みにくくて、いったん途中まで読んだものの全然頭に入ってこず、最初から読み直したけど飛ばし飛ばしでやっとこさ(一応)。
内容は興味深かったので、自分が気になった点のメモと思ったことを。

3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ
- 作者: ダナ・サスキンド,掛札逸美,高山静子
- 出版社/メーカー: 明石書店
- 発売日: 2018/05/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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異なる社会経済レベル(職業・学歴・年収等による)を4つに分け、9ヶ月から3歳まで追跡観察。
最も高いレベル(専門職グループ)の子どもが聞いた言葉は1時間に平均2000語、生活保護グループは600語。3歳の終わりまで積算すると3000万語の違い。(3000万語は3000万種とは違い、同じ言葉の繰り返しも含む)
当然ながら「黙れ」と3000万回言えばいいわけはなく、言葉の数だけの問題ではない。
ただ、たくさん話すと言葉数も増える。
日本の赤ちゃんを対象にした研究で、生後7ヶ月では英語の「R」「L」を聞き分けてたが、3ヶ月後にはこの能力は消えていた。
別の研究で、米国の9ヶ月児、生身の言葉では外国語を聞き分けられたが、録音・録画では覚えてなかった。
数字、数学に関して、大切なのは保護者が数の話をすること。
→空間認識能力は科学やエンジニアリング・数学などに重要だが、保護者の話し言葉に基礎を置いている。物の大きさや形(丸、四角、大きい、高い、短い等)を表す言葉をたくさん聞くと子は自分でも話し、4歳半でのテストで高得点だった。
ただ、前提として興味・関心、練習が必要。
適切に褒めないとマイナス効果。他人の意見に依存した受け身の人間にしてしまう。
→自己肯定感ではなく、望むべきは「目の前の課題を見、どんなに困難に見えてもどうしたら成し遂げられるかをすぐに考え始める子ども」
・グリット(取り組み続ける強さと意欲)、マシュマロ・テスト
子どもにとって自己制御の鍵は言葉。
→子がひとり言でぶつぶつ言ってるのはいいこと。
3つのT「①チューンイン」「②トークモア」「③テイクターンズ」
①子が集中している対象に気づき、適切な場合には一緒に話す
②子どもと話す保護者の言葉を増やす(子ども”に”ではない)ーナレーション、子がしてることのナレーション
③子どもをやり取りの中に引き込む。ー親が話してしまわず待つ。「何」は使わず、オープンクエスチョン(「どうする」「なぜ」)
過程を褒める。
→「頭が良い」とほめられた子どもは次に易しい課題を、「頑張った」とほめられた子どもは次に難しい課題を選ぶことが多い。
命令は自己制御も脳も育てない。
→「椅子片付けて」と言うのではなく、「ごはんが終わったら椅子どうするのかな?」
→「なぜなら」と理由を話す。
2歳以下の子にテレビ・スマホ・ゲームは不要。やりとりがないから。2歳以上でも1日1~2時間以内、内容も選ぶ。
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子どもに関してこの2年でわかったことは、まずは「子どもをよく見る」のが大事なんやろなということ。
色んな本に書いてあるし、この本でも3つのTのうち、最も大事な「①チューンイン」の最初は「観察」。
見てるうちに何したいか、なんで機嫌悪いかなどわかるようになってきたように思う。(もちろんわからない時もギャーギャー泣かれることも多々ある)
わかるようになると楽。
え?理由は楽やから?と思う人おるかもしれんけど、楽やと親は余裕ができて優しくできるし、子どももわかってもらえてるって感じるんじゃないかなぁ。
本に関して、3000万語はほんまに理由か?とは思う。分け方が社会経済レベルやから、”東大生の親は金持ち”と一緒ちゃうん?て。
ただ、3つのT、過程を褒める、命令でない話し方をするといったことは取り入れてみたい。
昨日の食後「イスどうするのかな?」と言ってみるとすぐ片付けて、今まで「イス片付けて!」と言っては「いやもん」と返されてたけどわかるんやなと実感。
「ほめる」ことについては「ほめるな」という本(アドラー)もあるし、どうなんやろうと思ってたけど、過程を褒めるってのはよさそう。
自己肯定感やらグリットは一朝一夕では身につかんし、確たる方法もないし、そもそも自分が自己肯定感も低けりゃ困難に打ち勝つ力!なんてのもないので、あんまりこればっかり求めてどうこう考えてもしゃーないなと思ってます。
実はこの本の「訳者あとがき」がショッキングだったので次も続きます。
(その他の子育て本記事)