大阪人の東京子育て

おもしろいこと言えない大阪出身者の子育て備忘録

『人新世の「資本論」』感想

話題の本(らしい)。「普段手に取らないような本を読んでみた」と書いてた人が載せてた『人新世の「資本論」』という本を私も読んでみた。

最初に、ネットは批判だらけというのは私も感じてて、ほんまにわかって言ってるんかいとか、言うだけて簡単よなとよく思ってます。その上で。(つまりこの後批判になります笑)

テーマは気候のこと。このままやと住めんくなるぞ、と。

先進国はグローバルサウス(発展途上国)の負担を犠牲に成長している。

地球の環境をよくする技術は色々と研究開発されているが、今考えられてるものはどれも効果がなく、効果的なものが出てくる頃には遅い。政治によるトップダウンもだめ。

これは全て資本主義が悪い。

資本主義は成長ありき。しかし成長しつつ地球環境をよくするのは無理。

→脱成長しようではないか!

マルクスも晩年はそう言うてた。

「コモン」というアメリカ型新自由主義でもソ連型国有化でもない第三の道がええと思う。水や電力、住居、医療、教育などを公共財として自分たちで民主主義的に管理する。そのための施策がいろいろ・・

という内容と私は読みました。(全部読むことを推奨します)

最初に思ったことは「ソ連も遠くなりにけり」。

第二次世界大戦を体験した人が少なくなって、「昔のこと」と実感がなくなり、また戦争し始めるんちゃうかと危惧してるんですが、似たように感じました。ソ連とちゃうとは書いてはるけどね。

もう一つは皆マジメに地味に働いて暮らすような人間ばっかりちゃうんちゃう?ということ。

著者の斎藤幸平さんは1987年生まれ。校風から”芝温泉”と呼ばれている芝中高→東大→海外の大学→研究者という経歴のよう。

私は今になると中学の時が一番色んなタイプの人が周りにいたなと思うんだけど、宗教にハマってる親の子とか、ヤンキーとか、受験塾通いづめの子とか、スナックの娘とか、親が大工で自分も卒業後は大工確定の子とか多種多様やった。

それと我が社。出退勤管理がタイムカードなこと、普通に遅刻・欠勤する人がいることに最初はカルチャーショックを受けたんだけど、管理しないとマトモに働かないからそうしてるんだと思う。

著者の周りに今までこんな人たちはいただろうか。世の中”いい人”であろうとする人ばかりじゃない。そういう画一的でない人たちが理念を理解して、地味で不便だけどいい人として生きることを選択するのか。

あいりんの日雇い労働者からでもピンハネするヤツらがおるぐらいと考えると、階層ができ、人の上にたつ人、使われる人、財を成す人、分け与えない人が出てきて形骸化するのは自明で、こっちの方が国家が混乱するんじゃないかと。そもそも国家が混乱状況に陥ったら環境もへったくれもないやん?

もちろん同じ志をもつ人たちで成功する例はあるだろうけど、私は自分が甘えてるきれいごと人間だなと思うことがあるので、同じように感じてしまった。

他に対案があるわけでもなく批判して申し訳ないけど、これをいい!と思うのはどんな人なんやろう?逆にそう思わない私が古くて頭が固いんだろうか。

ただ、ひとつ理解できたのは、レジ袋有料化は進次郎がトチ○ったわけではなく、キッカケにしたかったんやろなということ。ガラパゴス日本の一般的な日本人である私はレジ袋もSDGs推しも唐突な印象を持ったけど、西欧などでは差し迫った危機として認識されていて、日本人にもそういう意識を持たせなあかんと思ったんやろうな。

インパクトのある導入=人々が関心を持ったからこそ、意識変革につなげられたらよかったと思うけど、実際はSDGsNHKが歌っとんなとしか思ってなかった。(著者はSDGsを”やってる感”と批判してるが)

少子化ぐらいヤバイから何とかせなあかんというのはわかった。洗濯乾燥機使ってる私が言っても説得力ないけど。